ぱこといいます(仮)

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エンタメ要素誰か教えて『あした死ぬには、』-雁須磨子、そして 『ひとりでしにたい』-カレー沢薫

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ずいぶん久しぶりに渋谷に行った。

 

年度末で月末のこの時期になると、現場の下っ端のような木っ端の自分にはほとんどまわってくる仕事は無いし、先週のうちにこちら側から送っておくべきメールや資料などなどは送ってしまっているので、わりと手が空いていたので本屋に行きたくなったからってのが理由。

 

ここの本屋で有名なビルダーの xxxxxx さんを見かけたのだけど、その後色々な事件に巻き込まれてしまわれてなんか生々しく思った…のだけど、今年に入ってあっさり復活されていて、なんかもう、芸能界ってよくわからないなって感じ。

 

いいんだけど。

 

あした死ぬには、3

あした死ぬには、3

 

 『あした死ぬには、』の三巻が出てたから本屋で買ったのだけど、これがもう本当にものすごい巻で、帰りのバスに乗りながら読んでるせいで酔ってるのか、それとも内容が気持ち悪すぎて吐き気がしてるのかわからないような内容だった。

 

これはエンタメとして成立しているのだろうか… 笑

 

三十代後半~四十代前半あたりで直面する家族問題、こじらせるつもりがないのにぐちゃぐちゃ陰湿にねじれる友人関係、管理者や社長が「悪気はない」せいで現場の一番まともな人に病気になるレベルで負担が集中する話、闘病と人間関係とセクシュアリティ全部入っているのがこの巻で、ほんとうに読んでて眩暈がした。

 

(読んだ人向けにいうと、あの飲み会の後の「更年期」でキレて LINE がんがん送ってくるあの人の話、梅木さんのパネルのエピソードと最初に「つけこまれますよ」と言われて主人公がはねつけるあたりが、個人的に本当に嫌だった)

 

これ本当にエンタテイメントなの?どういう感想を他の人が持つのがすごい興味ある。特にこの世代の女性。救いがなさすぎる。厳然たるリアリティのみの作品にみえる。

 

 

なんかこうやって比べて見るとカレー沢薫さんのこの作品はそうとう軽い。いや、テーマは重いはずなんだけど、なんというかうっすらネット漫画感があって、リアリティがあるようでないような不思議な読感がある。

 

まあこれ漫画っていうけど、どっちかっていうとほぼコラムっていうか、知育漫画に近いよね。誰も主人公の恋愛なんて興味ないでしょ…w

 

『ひとりでしにたい』がとにかくいいのは、人が考えないでいたい所に全部切り込んでいった上に、人のどうしようもない汚いところもえぐりだしておいて全部軽妙なギャグネット漫画的な軽さで進めれるところ。

 

さらさらと、人の生き地獄をバスツアーされている感じかもしれない 笑

 

病院の待合室みたいにやたらに明るく照らされるバスの車内蛍光灯の明かりの下で、『あした死ぬには、』の最新刊の生き地獄をただただ暗い気持ちで読んで外を見ると、外ももう本当に暗く、墨を塗ったような黒の中で、遠くのちゃんこ屋だけが明るく光っていた。

 

ずいぶんと人が入っているようで、バス車内のどっかでじいちゃんが

「おい密になってんじゃねえか」

とゴミみたいなツッコミをいれていた。

 

 

 それにしてもバス車外が暗く、しかし妙に車内が不自然な明かりで煌々と照らされているこの状態にいると、自分は高校の頃に一時間以上かけて住んでる山を登って降りて通っていた高校の頃を思い出す。

 

高校の頃は学費も危うくて、母親も出て行ったし借金はあるし父親は頭の調子が悪くなるし散々だった。妹だけがまともに育ったのは奇跡だろう。

 

最悪の読後感だった。次買うかはわからない。

 

良い漫画なんだけどね、『あした死ぬには、』。